シュタイナーの絵画造形療法とは

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病気や人生の転機を理解する力

病気や人生の転機は時に困難や苦痛を伴います。しかし、それは私達の人生において、日頃の生活習慣を見直し、これから未来に向かって進むために、生き方をも変える良い機会にもなりえます。その状況を肯定して理解することから、与えられた状況を受け入れる強さや希望を持てるようになることでしょう。

芸術の役割

季節の移ろいや、朝日、夕日の美しさに感動する時のように、自然界にあふれる色や形は、私たちの感情に働きかけ、生命力を強めてくれます。こうした自然に目を向け、自ら創造・創作する行為は、内面をより豊かにし、人生の助けとなります。

アントロポゾフィーに基づく絵画造形療法とは

この絵画造形療法は、アントロポゾフィー医学における療法のひとつです。アントロポゾフィーに基づく療法では、病気だけでなく、自分自身と向き合い本来備わっている自己治癒力を強めます。1人ひとりが積極的に、内なる変化に関わって行くことを基本にしています。

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生活環境も病気も人それぞれです。芸術療法士は、1人ひとりに適した療法の方向性を提案し、健康へのプロセスをその人と共に歩みます。繊細な感情への働きかけは、内なるバランスを取り戻し、偏った癖や生活習慣を変えて調和のとれた生き方をめざします。

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アントロポゾフィーに基づく絵画造形療法の歴史

絵画造形療法はオーストリア人の科学者、哲学者、そしてアントロポゾフィー運動の創始者であるルドルフ・シュタイナー博士(1861-1925)の思想に基づいた療法です。

ルドルフ・シュタイナーはイタ・ヴェークマン医師(1876-1943)と共に、アントロポゾフィー医学の発展のために尽力しました。その医学とは人間の自然治癒力を高め、健康と病気への認識を深める医療です。ドイツを中心に、現在では60以上の国々で実践されています。

マルガレーテ・ハウシュカ医師(1896-1980)はルドルフ・シュタイナーの遺志を受け継いだイタ・ヴェークマン医師と共にアーレスハイムの病院で1929年以降働いた後、1962年ドイツのボルに絵画療法士の養成コースを創立しました。現在、ドイツ、スイス、イギリス、オランダ、ブラジル、ニュージ―ランドなどに養成コースがあります。

日本におけるアントロポゾフィー医学については、以下のウェブサイトをご覧ください。

http://j-paam.org