アントロポゾフィーに基づく絵画造形療法はアントロポゾフィー医療の病院で一貫した思想のもとに医師から処方されています。そして学校、キャンプヒル(アントロポゾフィーに基づく生活共同体)などの施設では他の療法士やその機関の方々と共に、個人またはグループセッションがもたれています。その他の介護施設など地域の要望に添って活動もしています。
症状や状況に応じて医師や他の療法士たちと話し合うことからもセッションの方向性を見い出します。
セッションにかかる時間や費用は療法士により異なりますが、毎週、隔週などの周期的なリズムを大切にして行われます。
療法の手法
アントロポゾフィーに基づく絵画造形療法では、水彩、パステル、粘土など多様な技法を用います。
それらを通して自身の内なる変化を知っていくことが大切なので、芸術的な経験は問いません。
ぬらし絵
ぬらした紙に透明水彩を用いて描きます。
紙の上で変化する色は、緊張を解きほぐし、呼吸を整えると共に、楽しさと勇気を与えてくれます。
層技法
乾いた紙に薄くといた透明水彩を、ぬり重ねていきます。
時間をかけて色を積み重ねることで、客観的に考える力、自制心と忍耐力を育みます。
素描−木炭、コンテ、鉛筆など
不安定な思考や感情に、光と影のバランスと秩序を与えます。
パステル
水彩絵の具より流動的でない素材、ソフトパステル等の色彩を使いながら素描の持つ効果を体験できます。
フォルメン線描
リズミカルな線を繰り返し描くことで、身体の中のリズムを目覚めさせ、内的な調和をもたらします。
造形−粘土、木彫、石彫など
直接的に手から作り上げることで、触覚を刺激し、思考・感情・意志の調和を助けます。
また、新陳代謝をうながし、生きる力を強めます。